第四部・お前にはふさわしくない
第24章光はあなたの決裁じゃない
光不归你审批
中国語の原文からの翻訳です。

三拍で一小節。彼の回転は、一度ごとに敷石へ等間隔の溝を刻んだ。
院士がこちらを向いた。裾が膝の後ろを掃き、敷石にまた一本が加わった。彼は彼女を見ず、先に口を開いた。声は高くなく、子音はどれも噛みしめられていて、一つも欠けていなかった。
「拍子についてこい。三拍で、一小節だ。」
言い終えても、こだまはなかった。言葉は彼女の前の敷石に落ち、一つ、また一つ、どれも溝の縁に落ちた。彼の胸は動かなかった。
彼の靴は石でできていて、つま先は四角かった。一歩ごとに寄せ石の十字の中心に落ち、一歩もずれなかった。以前、彼女は数えたことがあった。彼女の足もとから展示室の真ん中まで、敷石は十四枚だった。今度は数えなかった。
彼女は彼の拍子を受けなかった。全体重を右足の古いスニーカーに沈め、その重さで自分をその場に釘づけにした。左足のリボンは一部が切れて、足首に垂れ、揺れていた。右の足首のテープは二巻きに切れ、ゆるんで、靴の胴に押しかぶさっていた。
「あなたは拍子を数える。わたしは呼吸を数える。」
この一言を言うとき、彼女の顎はほとんど動かず、どの字も彼女自身の立っている場所に落ちた。言い終えると、息を一つ吸った。三拍で吸い、一度止め、五拍で吐く。肋骨が一本ずつ下りていき、底まで下りて、また一本ずつ持ち上がった。
呼吸が、彼女の数えるものだった。拍子ではなく、一息でいくつの動きがもつか。吸ってから吐くまでのあいだに、何度足を落とせるか、何回まわれるか、その数を数える。劇場を追い出されてから、彼女には稽古場がなく、地下鉄の通路と石段で稽古をした。一息、一息と数え、その息を使い切ったら、次の一息でまた最初から数えた。
院士が先に跳んだ。三拍で一小節、回転のたびに裾の下から切り裂く弧が一本掃き出され、敷石に等間隔の溝が一本増えた。スワンの盾が左手首の平たい環から翻り出た。真珠色の白い鱗が一枚一枚貼り合わさり、その弧の力を受け取って、地面へ逃がした。一息目で、三本を逃がした。二息目で、二本を逃がした。
彼女の着地の音は拍を数えなかった。それは呼吸についていき、一度ごとに長くなった。
院士が宙で止まった。
落ちてこない。彼は展示室の真ん中に浮かび、高みから見下ろし、手を一振りすると、金の葉の判定が一枚ずつ撒き落とされた。一枚ごとに薄い音を一つ立てた。さっきページをめくった音と同じだった。彼女の靴のそばに落ち、肩に落ち、周りの敷石に落ちた。一枚が彼女のまつげに落ちた。彼女はまばたきをせず、それは滑り落ちていった。
金の葉の葉脈には、一枚ごとに番号が一つあった。彼女は最初の四枚を見て、その番号を覚え、それからは覚えなかった。覚えきれなかった。
判定の光が彼女の肩に落ち、一度止まった。光の輪の中に四角い影が一つあり、不採用通知の赤い印と同じ大きさだった。彼女の肩は落ちなかった。光が消えても、うなじの羽片はまだ立っていて、一層また一層、下へは押されなかった。
彼女は顔を上げて避けはしなかった。盾を手首に戻し、いちばん力のいる跳び方に替えた。大跳躍の連続で、一度ごとに低くなり、それでいて一度ごとに彼の着地点の真下へ近づいていく。着地のとき、膝が先に曲がり、それから伸びる。毎回、前の一度より一拍遅かった。
彼女は彼の四拍目を待っていた。
四拍目は空いていた。
三息目は、もう半分まで吸っていた。彼女は止めず、その息を吸いきり、吐き出し、五まで数えてから、ようやく振り向いた。
彼の拍子は三拍目で止まり、つながらなかった。彼はそこに浮かび、裾は垂れ、ぴくりとも動かなかった。かつらの影が顔にかぶさり、彼女にはその顔が見えなかった。かつらの両側には六巻きずつあり、どの巻きにも赤いテープがびっしり巻かれ、耳の後ろまで巻かれて、巻き数は同じだった。杖は彼の身体の脇に横たわり、書物のページは半分開いていて、どの葉にも小さな番号が一つあった。ページの縁のあの一枚にだけ、なかった。
彼女は自分の呼吸を数え、四息目から数え始めて、回り出した。
この一息で、四度足を落とした。次の一息で、一周半まわった。その次の一息は一度足を落とすぶんしかなく、彼女はその一歩でまわった。金の葉が一枚ずつ落ちてきた。十一枚目まで数えたとき、敷石の溝はもう半分が覆われていた。金の葉は溝の上に乗っていた。乗り方は軽く、触れれば散った。
回るほどに低くなった。細かいステップと裾が、床の切れた赤いテープを残らず巻き上げ、締まるほどにきつくなる一本の柱に絞り上げた。テープには小さな番号が一列に刷られていて、一寸おきに繰り返され、一巻きまた一巻き、すべて柱の中へ絞り込まれた。柱は彼女の足もとから上へ立ち、肩まで立った。
展示室に風はなかった。いま、あった。風は柱の中から吹き出し、細い光線の光の斑を展示台から押し出した。
光の斑は敷石を滑り、扉の隙間の下の石くずの列を滑り、鉄の手すりに巻かれて風にほどかれたテープの一筋を抜けて、石段に落ちた。
石段の下に人が立っていた。彼らはずっとそこに立って見ていて、誰も動かなかった。光が初めて彼らの上に落ちた。
彼女は止まり、顔を上げた。判定の光が足もとで灯り、また暗くなった。彼女はそれを待たなかった。
「光は、あなたの決裁じゃない。」
この一言が言い終わると、宙に浮いていた人が落ちてきた。
彼女は彼が落ちるのを見ていた。落ちるとき、彼の右手はまだ上がっていて、指は揃い、指先は上を向き、さっきと同じだった。ただ、手首はもうまっすぐではなかった。
彼が落ちようとしたのではなかった。次の一拍につなげず、身体が自分の拍子に振り落とされ、敷石に叩きつけられて、石くずが跳ねた。かつらがまるごと滑り落ち、台座の縁まで転がって、骨のように白い巻き毛が一巻きずつほどけ、真っ赤なテープがそこから抜け落ちて、一塊に絡まった。金の葉の上着が一枚ずつ剥がれ、敷石の上に剥がれ落ちて、一枚ごとに音を一つ立てた。
赤いテープの柱も倒れ、一巻きずつ敷石の上に散った。切れ口は上を向き、どの切れ口も揃っていた。
立っていたのは、一人の中年の男だった。
袖口は毛玉が立っていた。襟のボタンが一つ、留まっていなかった。爪のあいだは石の粉だらけで、灰白く、一筋ずつ嵌まり込んでいた。彼は寄せ石の縁に立っていた。敷石の縁は丸く、平らに磨り減っていた。彼は滑らなかった。
彼の胸が一度動いた。
その一度は遅かった。吸い込むとき、肩が先に上がり、それから胸が上がり、底まで吸って、さらに少し吸った。これが彼の最初の吸気だった。吸い終えると、胸は一度止まってから、ようやく下りた。下り方は揃っていなかった。
彼は顔を上げ、彼女を見た。今度は彼女にとても近く、目尻の皺が見て取れるほど近かった。
「わたしが落とした人間は、審査した人間より多い。一人残らず覚えている。」
声は展示室の壁にぶつかり、跳ね返ってきた。一字、一字が、壁と壁のあいだを一巡りしてから、ようやく彼の口もとへ戻った。
彼女の盾は戻り、鱗は手首の骨に貼りついて、冷たかった。呼吸はまだ数えていた。一息、二息。そこまで数えて、彼女はもう数えなかった。左足のリボンはまだ垂れていて、切れ口は下を向いていた。彼女はほどきにいかなかった。
彼の手には一巻きの紙が握られていた。紙の巻きの真ん中に折り目が一本あり、切れかかっていて、何度も押さえられたものだった。彼はそれを胸に当て、両手で両端を押さえ、誰にも渡さなかった。
杖が彼の脇から滑り落ち、先端の半分開いた書物が最後の一葉をめくった。その一葉に番号はなかった。それは最後に落ちた一枚で、敷石の上に、表を上にして落ちた。彼女は拾いにいかなかった。
展示室が色褪せ始めた。壁が下へ退き、寄せ石が一枚ずつ粗い石の面に変わり、継ぎ目の白い漆喰は風に吹き飛ばされた。テープが四方の壁からゆるみ、一巻きずつ剥がれ落ち、風に巻かれて石段の縁まで行き、止まり、また巻き去られた。客席の椅子の背の赤はなくなっていた。灯りが一つずつ消えていき、最後の一つが消えたとき、彼女はもう台の縁に立っていた。
台の外に地面はなかった。石段だった。一段ずつ下へ並び、切れ目は一歩分の幅だった。
回廊に風はなかった。
スワンはしゃがまなかった。数えた。三十一段目の切れ目に、あの横線がまだあった。片方は深く、片方は浅かった。四十四段目の一本は上の一本より浅く、終筆の縁は毛羽立って、上へ反っていた。五十七段目にまた横線があった。この一本が三本目だった。そのそばに、誰かが擦ったあとの浅い跡がもう一本あった。平らに擦られていて、周りより明るい面が一つ残っているだけで、起筆も終筆も見つからなかった。念入りに擦られていて、手すさびに擦ったものには見えなかった。
彼女は五十七段目で二息ぶん止まった。三本目の横線はとても平らで、手で刻んだものとは思えないほど平らだった。
先の三本を誰が刻んだのか、彼女は知らなかった。横線が何なのかも、三息ぶん考えて、分からなかった。横線は横線だった。それが示しているのは、ここに誰かが止まり、それからまた下りていったということだけだった。
彼女は三拍で吸い、五拍で吐き、下りていった。吐くとき、足が一段に落ちる。吸うとき、足が次の一段に落ちる。二息で、二段。
一段下りるごとに、足の裏がまず石の縁に触れ、それから石の面に触れた。石の面にはごく細かい筋があった。何年も前に誰かが一段ずつ下りていって磨り出したものだった。彼女は誰かとは考えなかった。足音は落ちて、こだましなかった。回廊にこだまはなく、彼女の呼吸も戻ってこなかった。
六十段目、六十三段目、切れ目には何もなかった。石は冷たく、乾いた冷たさで、手をつくと湿り気はなかった。七十段目の切れ目は新しく、石の色は周りより明るく、断面には一本の跡もなかった。
彼女はその一段の前にしゃがんだ。左手首の平たい環を回して開き、いちばん端の鱗を一枚翻り出させ、その縁を石に押し当てた。力を込めて外へ一度引いた。石くずが二粒落ち、切れ目の中へ落ちて、見えなくなった。
横線が一本。短く、歪んでいなかった。両端は同じ深さだった。終筆の縁は毛羽立っておらず、反ってもいなかった。
彼女は立ち上がり、平たい環を戻した。四本目。彼女が刻んだものだった。
切れ目の底から冷たい桃色の光がわずかに透けて、下から上へ照らしていた。今度の光は斜めで、西から来ていた。彼女は下を見た。切れ目の底、はるか遠くに、黒い水面が一面あった。水面には船もなく、風もなかった。水の上に白い光が一粒、そこに止まり、瞬かなかった。光の縁は薄く、白の輪が一周していて、水面の縁も照らし出していた。あちらは海だった。
彼女はその一粒の光を長いあいだ見ていた。それは動かなかった。
「海の向こうも灯った。誰かが迎えに行かなくては。」
言い終えると、声は出ていき、何にもぶつからず、石段の上に落ちた。切れ目の底の光は答えなかった。
彼女は引き返し、数えながら上った。七十段目から一段目まで、一段、一段。頂上まで上ると、足の下の石が別のものに変わった。広場の敷石だった。
石段広場の霧は晴れていた。霧は川の方から少しずつ退いていき、川面まで退き、さらに岸辺の木の下まで退いた。木の葉が一枚ずつ明るくなった。ありふれた緑だった。東の空は灰白く、太陽はなく、雲もなかった。
彼女はしゃがみ、右の足首の最後の一巻きのテープをはじき取って、石段の縁に捨てた。テープは石の上に落ち、音はしなかった。彼女は立ち上がり、石段のいちばん上の段に立って、北から少し西へ寄った方を見た。
空には、あの円がまだ掛かっていた。明るい面が一か所欠けていた。欠け口の縁は揃っていて、欠け口の向こうは灰白い空で、何も掛かっていなかった。淡い紫の縁はまだ外側の輪にあり、黒い口もまだあり、口の縁のあの細い白い輪は一部が切れていた。暗い方の面では、砕けた光がまだ一片ずつ散っていた。
パリの空が一か所、空いていた。
塔は広場の突き当たりに、まるごと立っていた。基部から頂まで、一本も欠けていなかった。四本の脚、アーチ、三層の展望台。鉄骨はエッフェル・ブラウンで、明るくも、暗くもない色だった。彼女は基部の一周を数えた。三百三十六のナトリウム灯のうち、灯っているのは十一だけだった。灯っている数個の金色は薄く、鉄骨に貼りついているだけで、広がっていなかった。第一層の下縁には七十二の名前があり、一面に十八ずつ。どの名前にも、金は一点だけだった。
頂上の四本の光が回り出した。回り方は揃っていなかった。一本が先、一本が後で、四本は決して合わなかった。光が一本ずつ広場を掃き、石段まで掃いて、石段の上の人影が長く引き伸ばされ、また縮んだ。
塔の胴の中ほどに、とても大きなものが一つ、ずっと鉄骨のあいだに挟まって、動かずにいた。いま、それが動いた。それは二本の塔の脚のあいだから滑り出て、広場の上空に浮かんだ。地面からは高くなかった。その影が先に敷石の上に落ちた。大きく、一枚また一枚と、石段の上を越え、座っている人の上を越えていった。座っている人は避けなかった。
船首は一枚の楔で、いちばん先は鑿の先に絞られていた。艦橋は低く、三面がガラスだった。船殻は灰白く、橙色の一筋が船首から船尾まで引かれていたが、これだけ離れていると、細い線が一本あるだけだった。艦橋の下に番号が一行、吹きつけてあった。LM-1-04。字は灰色で、小さかった。
船体に名前はなかった。ハッチは開いていて、中の灯りは白く、入口に人はいなかった。
石段の上で、誰かが顔を上げた。
石段の下の人々は、顔を上げている者もいれば、まだうつむいて自分の靴を見ている者もいた。彼女が上から見下ろしても、彼女の方を見る者は一人もいなかった。
石段の中ほどで、男の子が一人しゃがみ、石の隙間から金の葉を一枚拾い上げた。葉には番号があったが、彼は見ずに、それを上着のポケットに入れた。
学生が数人、地下鉄の出口から走り出てきた。かばんが背中で跳ねていた。石段の下まで走ってきて、止まり、あたりを見回し、それから座った。
花売りが花桶の水を替えた。一桶ぶんの澄んだ水で、花の茎の切り口は新しかった。女が一人、買い物カートを押して通り過ぎた。車輪が石の隙間を越えて、がたんと一度鳴り、一度、また一度鳴った。
カフェのシャッターは半分まで上がっていた。入口のあの椅子はまた半歩近づいていて、コンセントから掌一つぶんしか離れていなかった。コンセントのそばの石段には紙コップが一つ置かれ、口から湯気が上っていた。中の人は出てこなかった。通りの向かいの街灯はまだ点いていた。昼間に点いていて、電球の黄色は小さかった。
石段の下で、あの中年の男は人群れの外側に立ち、手にあの一巻きの紙を握っていた。指の節は白くなっていた。誰も彼に話しかけず、彼も誰かを探しにはいかなかった。遠くの大通りで、バスが一台交差点を通り過ぎ、窓の中に人がいた。
いちばん下の三段に、あの踊り手が立っていた。両手は身体の脇に垂れていた。
いちばん下の三段で、彼女はあの女が九段目の横を下りてくるのを見ていた。女は止まらなかった。
あの女の左足が敷石に落ちて、音はしなかった。右足の靴の胴が石をこすって、鈍い音が一つした。そばを通り過ぎるとき、あの女は彼女の顔を見なかった。見たのは、彼女の足だった。
彼女は右足の中敷きをめくった。
あの一枚はまだ中にあった。四つに折られ、紙の縁はもう柔らかくなっていて、穴の毛羽がそれを押し上げていた。彼女はそれを抜き出し、広げて一度見た。書かれているのは番号が一つだけで、赤い印が押してあり、理由はなかった。理由がないことは、彼女は知っていた。
彼女はそれをまた四つに折り、鉄の手すりのそばのごみ箱に捨てた。紙は中に落ち、空の飲み物のボトルの上に乗った。
今日はシフトがなかった。倉庫からの電話はかかってこなかった。彼女は倉庫へ行かなかったし、訊きにも行かなかった。
広場の突き当たりにいた灰色の上着の人は、もういなかった。胸の銀のクリップも、もうなかった。
彼女はしゃがみ、右足の靴紐をほどいて、締め直した。足の甲を回し、もう一巻ききつく締めて、足首の上で結んだ。左足の靴紐は動かさなかった。
清掃車が広場の向こう端からやってきて、ホースで敷石を洗い流していた。水は石段の縁を伝って下へ流れ、いちばん下の段まで来ると止まり、小さな一面に溜まった。水が彼女の靴先の前まで流れてきて、彼女は一歩後ろへずれた。運転している人は濃い色の手袋をはめていて、彼女を見なかった。
スピーカーはカフェの入口のコンセントで充電しておいたものだった。一時間充電して、電池のランプは三つ目まで灯った。彼女はそれを提げて戻り、いちばん下の段に置いて、石にもたせかけた。持ち手のベージュのテープは三巻き巻かれ、下の灰色の一区切りを押さえていた。
彼女は段ボールを石段に敷き、二つの膝の跡の上に重ねた。段ボールは倉庫に返品されてきた箱を開いて平らに押したもので、消えていない字が一行まだ残っていた。朝の風が石段の下から上へ吹いて、段ボールの一角を吹き上げた。彼女は手を伸ばして押さえた。
あの公演の写真は、彼女が撮ったものだった。撮ったのはこの一足で、石段の縁に置き、右足のつま先にはもう黒い穴が擦り開いていた。三枚撮って、送ったのは二枚目だった。一枚目は穴が小さく写りすぎて、よく見えなかったからだ。
彼女は一度顔を上げ、塔を一目見た。塔の頂上で、四本の光は揃っていなかった。彼女はうつむき、再生を押した。
ドラムが入ってきたとき、彼女は立ち上がり、三拍数えた。
一。二。三。
一拍目、思っていたのは靴紐だった。二拍目は、電池の残りだった。三拍目は、あの紙ではなかった。
古いスピーカーが最初の一拍を落とすと、彼女はまず一度笑った。笑いは動きの前にあり、それから、ようやく動いた。石段には、人が次々と座って見始めた。
右足が先に落ちた。ほんのわずかに早かった。それは彼女自身のものだった。左足が続いて、半拍遅れた。それも彼女自身のものだった。膝が曲がり、底まで曲がって、また伸びた。音はしなかった。
石段に老人が一人座り、手の新聞を一ページめくった。五段目に学生が二人座り、かばんを足もとに置いた。女が一人、三段目に座って、スピーカーに合わせて歌を一曲口ずさんだ。三度目を口ずさんだところで、ようやく自分が口ずさんでいることに気づき、一度止まって、また続けた。カフェの入口の人は出てこず、あの椅子をまた少しコンセントの方へずらしただけだった。椅子の脚が敷石をこすって一度鳴った。短かった。
彼女は時間を数えていた。スピーカーは四十分しかもたない。三十一分目まで数えて、彼女は止まり、水を一口飲んで、ボトルを段ボールの角に戻した。
コンセントのそばの紙コップは、まだ石段にあった。彼女はそこへ行って取り上げ、一口飲んだ。熱くて、舌先を引っ込めた。戻すとき、コップの口を扉の方へ向けた。
彼女は入口の方を見にいかなかった。
翌日の夕方、彼女は九段目から下りてきた。
九段目に人はいなかった。彼女はそこを避けて通らなかった。九段目の縁には割れ目が一本あり、隙間に緑が少し生えていた。彼女は通るたびに、見なかった。
あの椅子はコンセントのそばにあり、背もたれは石段の方を向いていた。彼女はそれに座り、スピーカーのコードをコンセントに差し込んだ。電池のランプが灯り、一つ目まで灯った。彼女は椅子を元へ戻さなかった。右の靴のつま先のあの穴はまだあって、彼女は繕わなかった。段ボールは足もとに敷かれ、その上に二つの膝の跡と、二つの掌の跡があり、掌の二つの方が深かった。扉の中からコップを拭く音がして、しばらく拭いていて、ずっと止まなかった。
石段に二人増えていた。一人は五段目に座って、見ていた。もう一人はいちばん下の三段の縁に立ち、彼女のスピーカーに合わせて拍子を取っていた。ドラムはずっと同じで、一巡りが一分二十秒だった。一拍目、彼は早かった。二拍目は遅れた。三拍目は右足が先に落ち、落ち方が重くて、身体が前へ一度揺れ、また戻った。腕はまだ胸の前にあって、開いていなかった。彼は彼女のスピーカーに触れず、あの椅子にも触れなかった。
踊りはひどく不格好だった。
彼の靴は新しく、靴底はとても白く、擦り減っていなかった。靴紐はきつく結ばれていた。両足の靴紐の結び方は違っていて、右足は一巻き多く回してあった。
彼女はそれを見た。彼女のバッグに定規はなかった。
技術のことで一言、口の中で一巡りした。
彼女は彼を直さなかった。