...

第五部・自由の値札

第27章最初の伝票

第一张单据

中国語の原文からの翻訳です。

第27章 最初の伝票

いちばん上のあの伝票は、紙の角がもう脆くなっていた。そこには、無料のものに初めて一つの数字が書かれていた。

この一束の伝票は逆さに重ねられていた。いちばん古い一枚がいちばん上にあり、あとのものが一枚ずつその下に重なって、抽斗の底板まで続いていた。こう重ねた人は、理由を残していなかった。ほかの紙はみな押さえられていて、いちばん上のこの一枚だけは誰にも押さえられず、空気がそのまま上に落ちていた。四つの角がめくれ上がり、角には一層の毛羽が立っていた。

部屋に灯りは点いていなかった。光は窓から入ってきた。西の空のあの円の光だった。円は一弯だけ残り、縁は淡い紫で、明るい面には白い雲が、塊になって、動かなかった。暗い大きな部分には砕けた光があり、一片また一片と、それは別の都市の夜の灯りだった。円のそば、円より少し高い所に、黒い口が開いていて、口の縁に極めて細い白い輪が一本あった。光はカウンターの木の面に落ち、ごく淡い明るみを一筋照らし出していた。窓ガラスには一本のひびがあり、左上の角から斜めに下りていて、割れ目に埃が溜まっていた。カウンターの下に抽斗が一列あり、いちばん上の一つには鍵がかかっておらず、引き出せば伝票はその中にあった。抽斗の真鍮の取っ手はもうくすんでいた。

抽斗の中にはほかの物もあった。定規が一本、一区切り折れていた。クリップが二つ、互いに留まっていた。ボールペンが一本。貸出カードが一束、カードは抜き出されて、きちんと揃えられていた。伝票はそれらの隣に置かれていた。

それは一枚の標準の様式だった。頁の頭に「値付け登記」の四文字が印刷され、右上の角に丸い印が押されていたが、印の字はにじんで、一周の縁だけが残っていた。その下に数欄。番号、物品、数量、単価、申請者(職務)、署名者、備考。番号の欄は空で、誰も書き込んでいなかった。線は灰色で、字は黒く、油墨が紙の上に薄い殻を結んでいた。様式の下半分には四条の規則が印刷され、字は小さく、近寄らなければ読み取れなかった。

物品の欄にはこう書かれていた。公共閲覧室一室(机、椅子、照明器具、書架の棚板を含む。書籍を含まない)。

数量、一。

単価、一日につき、一セント。

一セント。そのマスに書かれたとき、それは小さすぎて、ほとんど一つの記号でしかなかった。この数字では飴一つも買えず、椅子一脚も買えなかった。

申請者の欄に書かれていたのは、管理人。これは職務であって、名前ではない。様式に印刷されているのが「職務」であって「氏名」ではなく、書き込まれたのも職務だった。字は鉛筆で書かれ、一度消されていて、消した所の紙には白い粉が一層残っていた。

署名者の欄は一筆の署名だった。筆圧はとても深く、紙の中に押し込まれ、紙の裏が一本ずつ凹んでいた。墨は乾いていたが、凹みはまだあった。

備考の欄には二文字だけ。一時。字はとても小さく、終筆はきちんと収められていた。

右下の角が一条欠けていた。切り口はまっすぐで、両端が揃っていて、定規を当てて切ったようだった。裏面はもともと白紙だった。

彼はもともと地区の事務所で登記を担当していた。公共の物が台帳に入るとき、どの一つも彼の手で一度書き写さねばならなかった。井戸の番号、電気メーターの読み、書架に棚板が何枚あるか、椅子に脚が何本あるか、閲覧机の角に打ち傷が何か所あるか。台帳は黒い表紙で、表紙は擦れて灰白になっていた。台帳には「主」という欄があり、その欄に彼が書く字はいつも同じ一語だった。無主。

のちに、台帳の上のそれら無主の物が、一つまた一つと消えていった。

通りの角のあの井戸は、一夜のうちに、ポンプも、管も、弁もすべて外して持ち去られ、井戸口には一周の煉瓦だけが残り、煉瓦の隙間には掃き切れていない泥がまだあった。彼はのちにもう一度見に行った。台帳のその一行は改められておらず、「主」の欄はまだ無主で、井戸にはもうポンプがなかった。井戸口の煉瓦の上には、誰かが白い灰で丸を一つ描いていた。丸の中に字はなく、白い灰はもう雨に薄められていた。

一区切りの通りの電気は、灯柱が一本ずつ人の手で外され、電球も、線も、スイッチの箱も消えた。灯柱の台座は地面に残り、一列、番号が振られたまま、誰も引き取りに来なかった。その一区切りの通りは三か月暗いままで、ようやく誰かが届けを出した。その一区切りの通りの人々は、夜に出るとき懐中電灯を持ち、通りの角まで来ると一度照らし、また仕舞った。

開いている一軒の図書館は、秋のうちに、椅子、電球、書架の棚板が、同じく一夜のうちに全部なくなった。壁の掛け金具は残っていた。絵を掛けていた釘も残っていた。翌朝、扉を開けに来た人が中に入って見たのは、四方の壁だった。

その図書館を外したのは二人で、手押し車を一台押していて、車には古い毛布が一枚敷いてあった。椅子を積むとき、毛布は下に押さえられ、一角が外にはみ出していたが、彼らは振り返って取りに来なかった。

秋の終わりになると、台帳の八十一行の後ろに一字が増えた。失。字は彼が書いたもので、「主」の欄の右側に、一つずつ、どれもとても小さく書かれていた。

まだ開いているあの図書館を、彼は台帳に三度書き写していた。どの回も頁の番号は正しく書かれ、どの回も「主」の欄に書かれたのは、同じ一語だった。

外していく人々は悪くない。彼らが持ち帰るものは、大半が物を直すのに使うものか、小屋を建てるのに使うものだった。これらの物には、名乗り出る者がいなかった。それを残す責任を負う者が、誰もいなかった。

無主の二文字は、台帳の上では、持っていってよい、という意味だった。

その午後、彼は事務所の窓口の前に長いあいだ立っていた。窓台には枯れた植物の鉢が一つ置かれ、土は乾いていた。窓の外の通りでは誰かが椅子を運んでいた。一往復ずつ、こちらの端からあちらの端へ運び、運ぶ人は顔を上げなかった。

その年の春、まだ開いているあの図書館の管理人が、事務所に来た。

彼女は毎日、いちばん最初に館に着く人だった。まだ空が明け切らないうちに、まず段を一度掃き、それからしゃがんで、入口の石の縁の落ち葉をどけ、それから扉を開けた。彼女の鍵束には七本の鍵が掛かっていて、この部屋のものは一本だけだった。作業着のポケットには鉛筆が一本差してあり、歩くとき、鉛筆が揺れて、ポケットの縁に当たった。彼女は毎日、貸出カードを一枚ずつ抜き出し、番号順に差し戻し、間違って差さっていたものは、一枚ずつ探し直した。

彼女が尋ねたことは具体的だった。一つの部屋に、どうすれば責任を負う人ができるのか。様式は事務所が出すもので、署名者の欄は一人の人間しか署名できず、彼女が訪ねてきたのはその人だった。

彼は様式に単価を書いた。書いたのは、一日につき、一セント。

彼女は申請者の欄に鉛筆で書いた。書いたのは職務で、三文字。二文字目を書き間違え、消して、もう一度書き直した。

それから彼が署名した。署名のとき、彼女はカウンターのこちら側に立ち、見ていたのは様式で、彼の手ではなかった。署名を終えると、彼は伝票の右下の角から一条を切り取った。切り口は定規を当てて切ったもので、切り取ったその一条を彼は彼女に渡さなかった。様式が彼女に返されたとき、一角が欠けていた。彼女は伝票を一つ折りにして作業着のポケットに収め、鉛筆がポケットから滑り出て、彼女はそれを受け止め、また差し戻した。

のちに、その伝票は抽斗の中に戻り、元の位置に置かれた。

こうして彼は一つの物に値を付けた。

今度は、台帳の「主」の欄に、彼は無主と書かなかった。その欄に書かれたのは、一日につき、一セント。

彼が選んだのは、まだ開いているあの図書館だった。通りの北側にあり、地下鉄の出口から歩いて四分だった。価格はとても低く書かれ、誰もそのために本気で払おうとはしないほど低かった。値付けの意味は単純だった。持っていく前に、まず払え。金を払った者は、それに責任を負わねばならない。一セントのために足を止め、それからまた椅子を一脚外そうとする者は誰もいなかった。だからその夜、その図書館の椅子はみなそこにあった。

翌朝、彼女が扉を開けに来ると、椅子はみな元の位置にあった。彼女はそのうちの一脚をまっすぐに押し直してから、扉を開けた。

価格はそれを一度、守った。

それから価格は、ひとりでに伸びることを覚えた。

二枚目は印字されたものだった。紙は新しく、白く、脆くなっていなかった。印字された一行にはこう書かれていた。損耗、一日につき二セント。これが覆うのは椅子の脚、電球の寿命だった。毎日誰かが座れば、毎日何かが磨り減る。

二枚目が来たその月、彼女は椅子の脚にテープを一周巻いた。巻いたのは、座る人がいちばんよくもたれる数脚だった。テープは灰色で、巻いた所はほかより一層高くなっていた。

三枚目のその一行にはこう書かれていた。管理、一日につき四ドル。これが覆うのはあの鍵であり、扉を開けて鍵をかける人であり、彼女が毎朝開けに来るあの数時間であり、段を掃くあの一本の箒だった。箒は彼女自身のもので、誰もその数を彼女のために数えたことはなかったが、この一行はそれを数えに入れた。

三枚目が来たその月、彼女は扉を開ける時間を一時間早めた。空はまだ暗く、段の上の落ち葉は濡れていて、どけるとき、まず指が冷たくなった。

四枚目のその一行にはこう書かれていた。機会、一日につき三十一ドル。これが覆うのは、この部屋をもし貸し出せば、一日に受け取れる数だった。部屋を貸さなくても、この数は数えに入る。窓口の光、カウンターの位置、入口のあの三段の段、どれも貸せるものだった。貸せなくても、数えに入る。

四枚目が来たその日、一人の人が段の下に立って、この部屋に屋台を一つ出せないかと尋ねた。彼女はできないと言った。部屋は彼女のものではなかった。その人はもうしばらく扉を見てから、去った。

どの一行も新しく加えられたもので、その欄に誰かが一字でも書き込んだことはなかった。印字の字は同じ大きさで、どの行の数字も同じ一本の線の上に並んでいた。伝票は毎月の一日に、扉の下の郵便差し入れ口から押し込まれてきた。封筒はなく、差出人もなく、紙の上に一行の日付と、一つの新しい数があった。差し入れ口の鉄の板は新しく替えられていて、扉の枠より光っていた。蓋はバネ式で、伝票が入ってくるたびに蓋が一度鳴り、鳴り終わってから、紙が床に落ちた。時刻は正確に合っていた。毎月の一日、一分早くも、一分遅くもなかった。いちばん下の一行の小さな字にはこう書かれていた。本票は祭壇が発行する。別途の費用はかからない。

一行が加わるたびに、祭壇の側では伝票の縁から紙が一条切り取られ、その一行の数字が書かれて、彼の関節の隙間に通された。関節の隙間には一条、また一条と掛かっていた。一条目は右下の角から欠けたあの一条で、右手の人差し指の関節の隙間に通され、紙には一セントと書かれていた。段の下から見上げると、彼の手は体の脇に垂れ、関節に白いものが掛かっていた。

相場の祭壇はリバティ島にある。その地面には一周の裂け目が開き、石の面は灰白で、隙間に細い草が生え、細い草は数字の光に照らされて一本ずつ白くなっている。緑と赤の数字が一マスずつ隙間から上へ跳び、あの光の柱に沿って進む。そちら側に音はなく、数字が跳ねるとき、裂け目が一度光るだけだ。いちばん上まで跳ぶと、一マスだけ跳ばなくなる。そのマスの中にあるのはこの閲覧室で、数字はもう三十五ドル三セントになっている。その下にはほかの行もあり、井戸のものもあれば、一区切りの通りのものもあり、別の都市のものもあって、一行の下にまた一行、どれもあとから来たものだ。いちばん上のあのマスの位置は、一度も変わったことがない。祭壇に守る人はいない。段の石の面はとてもきれいで、たった今誰かが拭いたかのようにきれいだった。

一セント、二セント、四ドル、三十一ドル。四つの数を足せば、あのマスの中の数になる。どの数も、それがあるべき場所に並んでいた。

四枚目まで来ると、抽斗の中の伝票はもう小さな一束になっていて、縁は揃っていた。

その日、彼はこの価格を取り消そうとした。

彼は抽斗から白紙の様式を一枚抜き出し、裏面に書き出しをつけた。字の様式は表面にならった。物品、申請者(職務)、署名者。物品の欄に、彼は閲覧室の三文字を書いた。申請者まで書いたところで、ペンはそこで止まり、半分の字だけ書いて、ペン先が紙から持ち上がった。

裏面のその半分の字は、まだある。

撤回申請書の様式は、表面にならって彼が自分で引いたもので、罫線は定規で引かれ、一本が歪んでいた。見出しに書かれたのは、値付け撤回申請。歪んだその一本が、ちょうど半分の字の下を通っていた。

のちに彼はそれでも祭壇へ行き、申請を送り込んだ。申請者の欄は、祭壇が彼の書き終えるのを待たず、代わりに署名者の職務を書き込んだ。マスの中の字が一度変わった。一度だけ変わって、それからまた戻り、一句だけが残った。申請者と署名者は、同一人であってはならない。その一行には一句しかなく、字と字の間隔はどれも同じだった。

彼は二度目には行かなかった。

祭壇の数字は、誰かに読まれる必要がない。マスの中の字は変わり終えると、また跳び始めた。跳んでいるのは別の行だった。

表面の下半分の四条の規則は、どれも印刷されたもので、一条ずつはっきりしていた。第一条、値付けは署名者が承認する。署名者は一人に限る。第二条、値付けの変更は、支払者が申し出なければならない。第三条、未清算の値付けは、撤回できない。第四条、申請者と署名者は同一人であってはならない。

撤回は支払者が申し出るもので、支払者は金を欠いていて、金を欠いている者は申し出られない。署名する者は彼一人しかおらず、第四条には、申し出る者と署名する者は同一人ではいけないと書かれている。こうして、署名できるマスは、彼が申し出ることができず、申し出ることのできるマスは、金を欠いていて、やはり申し出られない。四条の中に、一字も間違いはなかった。彼は第四条の外に立ち、今日までずっと立っている。第四条の字は印刷されたもので、筆画は同じ太さで、一画も手書きではなかった。

最初の伝票に署名したその日、彼はペンを強く握りすぎた。ペンの軸が右手の虎口に押しつけられ、白い跡を一本押し出した。跡は二日経ってから赤くなり、その後ずっと消えなかった。備考の欄に書かれたのは一時で、字はとても小さかった。ペンを握るその手が使った力は、しかしとても大きかった。このことは紙に書かれていない。

カウンターの上のそのペンは透明な軸のボールペンで、軸の真ん中に一周の凹みがあり、凹みはとても浅く、両端より少し薄かった。そのペンは今も抽斗の中にあり、伝票の隣に横たわっている。

この跡は外からは見えない。

のちに松明の握りが押さえたのは、まさに同じ位置だった。

その価格を最初に払えなくなったのは、毎日いちばん最初に扉を開ける人だった。

来る人は払わなくてよかった。本を読みに来る人、窓辺に座って字を書く人、閲覧机にしばらく突っ伏す人、誰も払わなくてよかった。払うのはこの部屋だった。それを払うのは、毎日いちばん最初に扉を開け、最後に鍵をかける人だった。

本を読みに来る人の中に、一人の老人がいた。毎日三番目の机の脇に座り、同じ一部の新聞を読んだ。新聞は前の日のものだった。一人の若者がいて、字を書きに来て、書き終えると紙を折り畳んで持ち帰った。何を書いていたのか、彼女は見たことがなかった。時々、紙が持ち帰られず、机の上に残っていて、彼女はそれを片づけ、貸出カードの後ろに挟んだ。一人の学生がいて、閲覧机に突っ伏して眠り、目が覚めると、椅子を元の位置に押し戻してから、去った。彼らは誰も、何も払ったことがなかった。

彼女は給料から払った。二セントのあの一行が加わった月、彼女は払えた。カウンターの上の小銭でちょうど足りた。四ドルのあの一行が加わった月、彼女は給料明細をカウンターの上に出し、数字を一つずつ照らし合わせた。給料明細は紙で、月に一度出され、数字は右下の角に印字されていた。給料明細の数字は変わっていなかった。ただその下に、控除の一行が増えていた。三十一ドルのあの一行が加わった日、彼女は照らし合わせに行かなかった。彼女はその印字された伝票を抽斗に入れ、ほかの伝票と一緒に重ね、抽斗の底板まで押さえ込んだ。

それ以来、毎月の一日に、彼女は新しく来た伝票を取り出し、給料明細と照らして一度見てから、戻した。戻すとき、彼女はいつもいちばん下に置いた。

カウンターの上にブリキの箱が一つあり、小銭用のもので、箱は空だった。箱の蓋には紙片が一枚貼られ、字は鉛筆で書かれていて、もう読めなくなっていた。

金を欠いているから、彼女は撤回を申し出られなかった。

扉の上のもとの文字はもう外されていて、四つのネジ穴だけが残っていた。段は三段で、真ん中の一段は角が丸く磨り減っていた。ガラス扉から外から覗き込むと、机も椅子もまだあった。閲覧机は十二台、天板には引っ掻き傷があり、何本かはとても深く、ペン先で押しつけてできたものだった。椅子の背に上着が一枚掛かっていて、誰も取りに来なかった。書架は空で、棚板は一枚ずつ、まだ壁に打ちつけられていた。書架の三段目には、とても浅い跡が一列あった。本の背が押しつけてできたもので、一冊ずつ数えられた。床には机の脚が残した跡があり、一台につき四つ、一列ずつ、数えれば十二台と分かった。天井の電球はまだ四つあり、ガラスの笠の中は埃だった。扉の内側には複写の伝票が一枚貼られていた。印字された四枚目の複写で、紙の角は巻き上がり、誰も剥がさなかった。

扉を閉めるその日の朝、彼女はいつもどおり、まず段を一度掃き、それからしゃがんで、石の縁の落ち葉をどけ、それから扉を開けた。

その日、石の縁に一枚の葉があり、石の下に押さえられて、縁だけが覗いていた。彼女はそれを掃き去らず、脇へどけた。

その日は日が暮れるのが早かった。地下鉄の出口から人が一群れずつ出てきて、段の前を通り過ぎ、誰も足を止めなかった。

彼女は最後に外へ出た。出る前に、窓を一枚ずつ確かめた。掛け金はどれも掛かっていた。彼女は抽斗の中の物を一度整えた。定規を平らに置き、ボールペンを定規の脇に戻し、クリップを一連に留め、貸出カードを揃え、伝票を抽斗の底板の上に整え直した。彼女は灯りを消した。スイッチは扉の内側にあり、押すと、ボタンがはね返ってこなかったので、指先でもう一度押し、ようやくはね返った。彼女は扉の内側に立ち、目がその暗がりに慣れるのを待った。机と椅子の影は、暗がりの中でどれも同じ高さだった。

彼女はカウンターの抽斗から複写の伝票を一枚取り出し、扉の内側まで歩いて、貼りつけた。印字された四枚目の複写だった。彼女は画鋲を四つ使い、平らに留めた。どの角もきちんと留めた。

扉の脇に箒が一本立てかけてあり、柄には一周光る所があった。手で握る所だった。彼女はそれを持ち帰らず、扉の脇のいつもの位置に立てかけ直した。

彼女は外に出て、扉を閉めた。扉は二枚のガラス扉で、鍵の芯は真鍮で、鍵の山はもう丸く磨り減っていた。扉の取っ手は触られて光っていた。彼女は二回まわし、その一本の鍵を抜き取り、手の中に握りしめて、段の下まで歩いた。鍵が彼女の掌に細い跡を一本押しつけた。

入口の街灯が点き、段を照らした。段は乾いていて、朝に掃いた痕跡はもう見分けられなかった。

段の下の壁際に、石が一つあった。ほかの石より少し白かった。彼女はしゃがんで、その一本の鍵を石の下に押し込み、紐の一端だけを外に残した。紐は古く、もう色が褪せていて、片方の端が鍵に結ばれていた。

こうしたのは、万一まだ誰かが入ってくるかもしれないからだった。

彼女はその石の脇にしばらく立ってから、去った。

石の上面には埃が一層積もっている。埃は白く、縁は揃っていて、誰もどけたことがない。石の脇には落ち葉が小さく一山あり、乾いていて、高くは積もっていない。

石は今もある。鍵は今も入口の段の下のあの石の下にあり、とうに錆びついて動かない。